愛犬とお散歩から戻ったら、パンツのすそに変な虫がうごいてる~ なにこれ、マダニ?!
わんこの目元にイボ?!これもマダニ?!
少し遠征して、ピクニックコースの山林をわんことお散歩。わんこもいつもより自然の香りを楽しんでいて満足そう。
でもそんなところにこそ、わんこも人間も襲う小さな吸血鬼が潜んでいるのです。いえ、血を吸って膨れていると小豆大ぐらいの大きさになるマダニ。
待ち構えていて木の上などから飛びつき寄生します。ちょっと想像したくないですが、事実。
草むらや山林などに出かける時は、そこに生息するマダニについて知っておくことも重要です。お散歩後のケアや予防策についてしっかり学んでおきましょう。
山道のお散歩は楽しいのにこわいなぁ
気を付けよう! こんな場所にマダニは棲んでいる。
草原やキャンプ場、ハイキングコースのような山林、田んぼ脇のあぜ道、川沿いの道、公園など草木が多く自然を楽しめる場所ならどこにでもマダニはいます。
犬や人だけではなく動物の発する二酸化炭素を察知して、あるいは体温や体のにおい、歩く振動などを感知して木の上から落ちてきたりして体に飛び移り寄生。吸血します。
大きさは4ミリほどのいわゆる害虫で不潔にしているせいで寄ってくるわけではなく、動物の血を吸う自然界の生き物。種類としてはクモの仲間で、固い外皮に覆われています。
名前のない種類も含めると日本に60種類ほどのマダニが生息。その中で犬の血を好みとしているマダニは、ツリガネチマダニやクリイロコイタマダニなどがいます。
主にお庭で飼っていたり、自然の多い地域に住んでいるなら要注意。わんこの耳、胸部、内股部、肛門周りの毛の少ないところに寄生します。
マダニは血を吸うだけでなく他の病気を媒介することも。
かなり怖い!マダニによる被害
犬は血を吸われるとかゆみだけでなく、貪欲に吸血されることによる貧血、マダニの唾液がアレルゲンとなって起こる皮膚アレルギーなどの症状が。
細菌や病気、原虫なども媒介し、犬に寄生するマダニは、多く人にも寄生することがわかっています。
マダニは「卵」→「幼ダニ」→「若ダニ」→「成ダニ」のように成長。そのそれぞれの段階で貪欲に満腹になるまで血を吸います。成ダニは吸血して体重が数倍に増加、体長が100倍になるケースも。
吸った血を体内で濃縮するので、吸血した血の量は増加した体重の3~5倍(5mlほど)になります。見た目も膨張してかなり大きくなるためイボのように。成長したマダニが満腹まで吸血した時に発見されることが多いのはこのためです。
見つけたら一刻も早く取ってしまいたい! ですが、マダニは吸血するとき唾液をだしてその中に含まれる酵素でまずは皮膚を溶かします。
針状の鋏角(きょうかく)で皮膚を切り裂き、ぎざぎざの歯のついた突起物(口下片(こうかへん))を傷口に差し込み、さらにセメントのような物質を分泌して自分をしっかりと固定して吸血。
無理に取ろうとすると、差し込んだ突起部分が皮膚に残ってしまい化膿してしまいます。取るときにはコツがあるのですが、獣医さんにお願いする方が無難です。
媒介する病気も少なくありません。紅斑熱やライム病は脊椎動物と人との間で感染していく病気。バベシア症やエールリヒア症など命を落とす危険性をもつ病気もあります。
例えばバベシア症は、バベシア原虫が犬の赤血球に寄生することで発症する感染性疾患。感染すると溶血性貧血、発熱、黄疸、虚脱などの症状があらわれ、治療が遅れることで多臓器不全に陥り死に至ることもある非常に怖い病気。
エールリヒア症は細胞内で増殖する細菌によって引き起こされる感染症。感染しても無症状である場合もあれば、急性の症状を示す場合も。
症状としてはリンパ節の腫れ、高熱と平熱の繰り返し、脾腫、肝腫、鼻血、体重減少、網膜などの出血、白血球減少症などがあります。
その他にも発熱、食欲不振、麻痺、関節炎、筋肉痛、全身倦怠感、呼吸器疾患などの症状を引き起こす人畜共通感染病もあります。
犬の排泄物をさわることで遷ることもあるので注意が必要です。
海外に棲むマダニの中には、唾液中に毒性物質をもっており麻痺などの神経障害をひきおこすこともあります。
最近では旅行や国際交流、輸出入などで国内外の境目がなくなってきています。現在はまだ国内での発見はなくてもいつ国内で症例が報告されるとも限りません。知識として広く知っておきましょう。
野生動物や他のわんこのうんちにも病気をもたらす細菌がいるんだって。
お散歩後のお手入れでマダニの被害を防ごう!
お散歩から戻ったら、わんこの全身をくまなくブラッシングしましょう。目の細かい櫛を使うとまだ寄生して間もないマダニは取れるかもしれません。
ほこりや砂などを取るだけでなく、ノミやマダニがついてないかチェックすることも大切。わんことのスキンシップの役割も果たします。
口の周りや手足を濡れタオルなどで拭いてあげます。足の指の間は、水分や湿気が残らないよう注意しましょう。
マダニは吸血して大きくなったころに発見されるケースがほとんどですが、できるだけ早い段階で気付いてあげたいもの。
家の中や庭にマダニを持ち込まないようにすることも大切。目の周り、耳の後ろやあご、内股部分、肛門まわりなどを注意してみてあげましょう。見つけた場合は獣医師の診察を受けすぐに駆除しましょう。
日常のマダニ予防はこれで決まり!
動物病院で処方してもらえる駆除薬があります。定期的に駆除薬を投与しノミやダニが繁殖するのを抑えましょう。
しっかりとした駆除薬の投与に加え、スプレーで忌避効果のある成分を含んだものがあります。補助的に利用しましょう。ダニ除けの首輪もあるものの、それほど効果は期待できません。
洋服を着せて接触する部分を減らすのもよいのですが、隙間から入ってくることもあります。洋服をきせていても安心せずブラッシングやチェックはするようにしましょう。
お風呂やシャワーにして、シャンプーするのも一時的な駆除には効果あり。しかしシャンプーはあまり頻繁にするものではく、わんこの皮膚や被毛に必要な皮脂を保つ程度にするのがいいでしょう。
人間の方も、皮膚の露出をおさえた服装でお散歩に行きましょう。マダニの寄生を発見したら即動物病院に行きましょう。自分で取り除くのは難しいためできれば控えましょう。
最後に
いかがでしたか?
どんなに注意していてもマダニはついてしまうことがあります。マダニが媒介する病気の中には有効なワクチンのないものもあります。
5~9月の間は特に注意が必要ですが、実は1年を通して活動しているため油断は禁物。定期的な予防薬(駆除薬)の投与は欠かさないようにし、忌避スプレーも利用しましょう。
草むらに全く近づかない、自然の多い場所にお散歩に行かない、ではわんこも楽しみがなくなってしまいます。
お散歩中のしつけをしっかりとすることで、他のわんこの排泄物などに近づかないように、舐めたりしないようにしておきましょう。
ノミの対策についての記事はこちらをどうぞ
➡ 犬の散歩や交流で愛犬にノミがついたら。ノミの取り方・見つけ方。
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