ペットを飼うならノミは避けられない問題のひとつ。愛犬にノミがついたら、どうなるか想像してみてください。
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繁殖力のつよいノミはあっと言う間に大量発生し、一緒に暮らす人間のことも咬むので、愛犬だけでなくあなたや子供たちも一緒に痒さと不快感からくるストレスで気が狂いそうになるのです。
知らずに過ごしていてそんなことになったら大変!
しかし知識をつけてしっかりと対策さえしておけば、そんな苦労とは無縁で過ごすことができるのです。
お散歩後のケアや日常の予防策に加え、万が一ノミがついたときの見つけ方や取り方をしっかりみていきましょう。
ノミはどこから?驚きの繁殖力。
ノミは、主に他のわんこや猫たちが多く集まっている場所に行くことで飛び移ってやってきます。
脚力がすごいのでノミ自身の体長の60倍ぐらいの距離、100倍ぐらい高さをジャンプすることができます。
ノミに寄生されたわんこが通る道(お散歩コース)や近所の猫たちのたまり場、ドッグランや動物病院、トリミングサロンなどでもノミがついてしまいます。
ノミの成虫は遮光や動物が発する二酸化炭素や体温を感知して反応し、近くを通る動物に果敢にジャンプ。飛び乗ってきます。
わんこ同士、じゃれあって一緒に遊んだ犬にノミがいると高い確率でノミがうつっていますし、ノミの卵は表面がつるつるしているので、成虫でなくても卵が乗ってしまうことも。
ノミがいる動物を触ったら衣服に卵などがついてしまって、人が家に持ち帰ってしまうこともあります。
人間であっても油断せず、帰宅前に洋服をしっかり払うなど注意しましょう。室内に持ち込まれたノミの成虫や卵は恐ろしいほど驚異的な繁殖と成長を繰り返します。
住環境はあっというまにノミの卵や幼虫、サナギそして成虫によって汚染されてしまうのです。
愛犬の寝床、床の隙間やじゅうたん、畳の隙間や家具の下などを好んで繁殖場所とします。ノミは体長1.2~2.0mmほどで肉眼で発見するのは難しいのが実情。
高温多湿をむので、とくに梅雨の時期に活発に繁殖します。乾燥した冬の方が苦手ですが、成虫は低温でも湿度のある環境では摂食しなくても1年間は生存できると言われており全く油断できません。
近頃の住宅環境はよくなっているので、ノミにとってはあたたかい室内の方がより適した環境であり、季節問わず年中寄生と繁殖を繰り返すのです。
ノミは犬に寄生すると直ぐに吸血開始。36~48時間で産卵し始めます。1匹の雌が一日平均30個もの卵を産む種類もいます。卵の表面はつるつるしているので簡単に犬の体表から床やファブリックに落ちます。
環境がよければ数日でふ化し幼虫になり、1~2週間のうちに2回脱皮をしてサナギに。その後1週間ぐらいで成虫になります。
つまり一匹でも犬の身体にノミを見つけたときは、周囲にはノミの卵、サナギ、成虫が大量にいると思ってください。
犬の身体にいるのは約5%で残り約95%はまだ卵か幼虫、サナギの状態で周囲にいるのです。家の畳やカーペット、家具などに潜んでいるため成虫になって活動を始める前に対策が必要です。
1か月程度の期間で10匹が25万匹までに増えると聞くと、その繁殖率の高さがわかるでしょう。
想像したくない絵面。。。
侮るなかれ、ノミがもたらす被害。
- ノミ刺咬症(かゆみや痛みによるストレス)
- アレルギー性皮膚炎
- 瓜実条虫(うりざねじょうちゅう、いわゆるサナダムシ)感染症
ノミに咬まれると我慢できないほどのかゆみに悩まされ、ノミの唾液に強いアレルギー反応を起こし辛い皮膚炎になることもあります。
誤ってノミの卵などが体内に入ってしまうと、、、
例えばわんこの場合はかゆい部分を噛んだりして口の中にノミや卵が入ってしまったり、人が駆除したノミを指でつぶしその指を誤って舐めてしまったりする、
そんなときに、瓜実条虫いわゆるサナダムシが体内、小腸に寄生する事態になってしまいます。大きくなると体長50㎝になることも。
サナダムシが寄生していても症状がないことも多く、濃厚感染すると激しい下痢や体重減少、腹痛などの症状が現れます。
サナダムシは体内で虫体の一部を切り離します。その白い片節を肛門から排出する際にかゆみがあり、違和感を感じることがあるのでわんこがお尻をこすりつけるような仕草をみせることもあります。
この白い片節にはサナダムシの卵が詰まっていて、わんこの肛門部分に付着しているのを発見するかもしれません。
体内のサナダムシは、寄生虫駆除剤によって比較的かんたんに駆除することは可能。犬にも人にも感染するため注意が必要です。
お散歩後のお手入れでノミをシャットアウト!
お散歩から帰ったら、わんこは必ずブラッシングを。飼い主の場合は洋服をよく払いましょう。衣服にブラッシングするのも効果があります。
熱湯で洗ったバスタオルで顔から足腰など、それぞれタオルの面を変えてながら拭いてあげ、目の細かい櫛で念入りにとかしてあげましょう。
徹底して室内に持ち込まないことが第一の予防につながります。
ノミの寄生を発見したら
わんこには被毛があり、ノミは大きくても体調2mmぐらい。小さい上に素早く動くためなかなか見つけるのに苦労します。
まずはノミの糞をさがしましょう。わんこの足でかけない部分に集まっていることが多いです。黒いつぶつぶが皮膚のやわらかいところに発見できたら、それを湿らせたティッシュの上に置いてみてください。
粒が溶けて赤茶色になったらノミの寄生は確実。根気がいりますが毛を目の細かい櫛で丹念にすいてあげましょう。ノミ取り専用の櫛も市販されています。
ノミを捕獲しても絶対に指などで潰さないこと!おなかにいっぱい卵をかかえた雌の成虫であればその卵が散らばって被害が拡大してしまいます。
ノミを見付けたら水やお湯の中に沈めてしまいましょう。完全に動かなくなるまで放置しておき、ノミ取り用シャンプーがあれば少し垂らしておくとなお効果的。
あるいは熱湯や消毒液で殺すことをお勧めします。
1匹いたら他にもいる可能性が高いです。念入りに探してみましょう。ノミの生態を考慮し最低でも1か月は気を抜かないでノミ取りを続けましょう。
動物病院で処方してもらえるフロントラインは利用する飼い主のみなさんからも定評のある駆除剤。月1回程度、定期的に塗布することで予防もできますよ。
通販でも購入は可能。まずは獣医師の診察を受けて相談してみましょう。
かゆいのは嫌だ~
日常のノミ対策はこれで決まり!
- 定期的なノミ・ダニ用の駆除剤の利用(皮膚に塗布または内服薬)
- 室内の念入りなお掃除
お部屋の四隅、ベット下、ソファーなどを特にしっかりと掃除機をかける
室内用のノミ・ダニ駆除剤(カーペットの上など部屋中に撒ける粉上のスプレーなど)の利用
掃除機のごみパックに、首輪型のノミ駆除剤を切って入れておく - わんこのベッドや毛布は定期的にお洗濯(60℃以上のお湯でよく洗う)
- 人間はおやつや食事の前に、手指をよく洗うまたは消毒する
- お散歩前に虫よけスプレー(ノミ・ダニにも効くタイプ)
- お散歩後のブラッシング(わんこも衣服も)
- 定期的なシャンプー・お風呂ですっきりする(ノミ取り用シャンプーもあります)
ノミの寄生を完璧に避けることはなかなか難しいもの。ですがお散歩に行かないという選択肢はわんこにとって可哀そうです。
お散歩には運動不足の解消、ストレス発散に加え、脳の刺激など様々な効果があり飼い主のあなたとの大切なコミュニケーションやしつけの時間でもあるのです。
ノミやダニに過剰になるより、予防をしっかりとすることで、思いっきりお散歩を楽しめるように視点を変えましょう。
最後に
いかがでしたか?
ノミやダニの寄生は考えただけでゾッとします。しかし知識で武装して、しっかりとした予防対策をとることで恐れることはありません。
わんこと毎日のお散歩タイムを存分に楽しんでくださいね。
マダニの対策についての記事はこちらをどうぞ
➡ 愛犬との散歩で注意したいマダニ。予防と治療、その症状とは。
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