愛犬が吠える?!このお悩みが引っ越し後に起こった場合、それは環境の変化によるストレスが原因です。
私たち人間にとっても引っ越しは大仕事。
中には転勤の多い職場に勤めているために引っ越し慣れしている人もいるかもしれませんが、荷造り、移動、荷ほどき、環境の変化や諸々の手続きまで疲れてしまうことばかり。
人間もしんどい時ではありますが、愛犬のことも忘れてはいけません。
引っ越し先によい動物病院があるか、お散歩の環境がよいか、ご近所トラブルはないか、、、などの他、環境の変化によるわんこの心のダメージについての気配りも必要です。
くわしく見ていきましょう。
慣れなくて不安。
愛犬は引っ越しを理解できない
飼い主側にとって、引っ越す事情はさまざま。
- 念願のマイホームを手に入れた
- 会社で異動があり転勤することになった
- 手狭になったので、広いところに引っ越す
- 両親の後を継ぐため帰郷することになった などなど
やむを得ない事情だったり、ワクワクするようなイベントだったりする引っ越しですが、わんこには理解できません。急な環境の変化に戸惑い、慣れずに神経質になっている可能性が高いのです。
これまで暮らしてきた家や、お散歩コースがわんこの縄張りであり、テリトリーとしてよく理解していたエリア。そこからの全く未知の環境に身をうつすのです。
通常慣れるのに1カ月はかかります。
わんこの様子をよく観察し、自身も慣れない環境でバタバタしがちでありますが、わんこが安心できるよう気配りを忘れないようにしましょう。
引っ越しによるストレスが及ぼす影響
引っ越しによる環境の変化や不安、神経過敏といったストレスが原因でわんこにこれまでなかったような問題行動や体調不良があらわれることがあります。
- よく吠えるようになる
- お留守番できない
- トイレを失敗する
- 食欲不振(下痢や嘔吐)
- 眠らない
- 行動に落ち着きがない
引っ越し早々に夜鳴きや警戒吠えが増えたり、ちょっとしたお留守番ができずに吠えまくるといった症状があらわれると、ご近所が気になり飼い主も神経質になりがちに。
そうした飼い主の不安な心のうちはわんこには必ず伝わってしまい、ますます悪化することになりかねません。
まずは事情の理解できないわんこが全く新しい環境に慣れるために、わんこを初めて迎え入れたときのことを思い出し、トイレやお留守番のトレーニングについては最初からやり直しをしましょう。
以前できていたので、失敗すると腹立たしく感じて叱ってしまいがちですが、わんこは悪くありません。
わんこに苦労かけて悪かったな、ぐらいの気持ちで失敗に動じることなく忍耐をもって教えなおすことにしましょう。
警戒吠えがひどい場合は、ハウスの場所を再度見直してみると改善させることがあります。外の気配の感じやすい場所に設置してしまった場合は、一番静かな場所に移動させましょう。
引っ越しの時は、何もかも一新して綺麗な物をそろえたいものですが、わんこが環境に慣れるまでは今まで使っていたものをそのまま新居でも使います。
毛布やおもちゃについても、これまでどおりのものを与えます。
これまでの安心して落ち着いて過ごしてきたにおいがしみついていれば、それだけでも安心感につながります。
不安で眠らないようなら、慣れるまで飼い主の気配を感じられるスペースで寝るようにするか落ち着くまで長めにそばにいるようにしてあげましょう。
食欲不振や下痢や嘔吐などの症状があれば、なるべく早めに獣医師の診察を受けましょう。環境に慣れてすぐに改善されればよいですが、素人判断は禁物。悠長に放置して手遅れになると大変です。
新しい病院で不安もあるかもしれませんが、先生の診断を聞くことで安心できることも多いもの。すぐに受診することをおすすめします。
引っ越す前にできること
愛犬を持つ飼い主として、引っ越す前にできる準備は周到にしておきたいものです。初めての引っ越しであれば慣れないのは当然。
後からあれもこれも事前に済ませておけば安心だった、なんてことのないよう、しっかり準備しましょう。
- 新しい動物病院を探しておき、紹介状をもらう
- 移動方法や移動手段について調べ、事前にクレートに慣れさせる
- 引っ越しスケジュールに合わせ、搬出搬入の際のわんこの退避場所を考える
(ペットホテルも有効)
引っ越し後の体調不良も考慮し、動物病院については事前にチェックしましょう。前のかかりつけ医より獣医師仲間でよい病院が近くにないかを聞いてみるのもいいでしょう。
またこれまでのワクチン接種履歴や病歴などを含め紹介状をもらっておきましょう。評判のトリミング店についてもチェックできればしておきましょう。
引っ越し先で、犬連れの飼い主さんに情報を聞いてみるのもいいでしょう。わんこがきっかけでお友達もつくりやすいのが利点です。
引っ越し先にもよりますが、長時間の移動がある場合はどんな輸送手段でわんこを移動させるかは大きな問題です。
わんこにとっても長時間不安な気持ちで運ばれることになるので慎重に調べましょう。車や列車での移動であればクレート(またはキャリー)に慣れておく必要もあります。
引っ越す前に練習できればちょこちょこお出かけして練習しておきましょう。いつもどおり楽しいお出かけかなと思っている方がわんこも楽に過ごせます。
また引っ越しの荷物の搬出入は、見知らぬ業者さんが大荷物を運んで現場はカオスとなります。お風呂場に退避させることが多いものですが、わんこの負担を考えてペットホテルに預けてしまうのもいいでしょう。
引っ越しの行程によっては人間もホテルでの宿泊が必要な場合もあるでしょう。移動ルートや時間配分を密に計画し、すんなりと引っ越しが完了するよう準備しましょう。
毎日ドタバタで落ち着かないの
引っ越し後の注意点(心のケアとしつけ直し)
新居での荷ほどきが完了し、住環境が整ったら、やるべきことはもう少しです。
ご近所へのご挨拶では、手土産などを添えて訪問し、犬を飼っていること、「何かあれば遠慮なくお話していただけるよう」しっかり伝えておきましょう。
また環境の変化で最初はご迷惑をおかけするかもしれないが、しっかりとしつけをするので少しの間はご容赦くださるよう、お願いしておくのもいいかもしれません。
それから、今後お世話になる動物病院を受診したり、飼い犬の登録変更などを行います。
人間としてはここでホッとするところですが、わんこは新しい場所での寝床、トイレ、お散歩のすべてが変わって落ち着かないはず。
自分の家として認識できるまで最低でも1週間、完全に慣れたかなと思えるまでには1か月ほどかかります。お散歩についてもゆっくりと時間をかけておこないましょう。
夜鳴きや警戒吠えはテリトリーにおける安心感の欠如です。この新しい環境がわんこにとっても安心できるものだとしっかりと伝えていきましょう。
飼い主から「大丈夫だよ、ここがお家だよ」と伝え撫でてあげましょう。信頼をよせる飼い主の態度から、ここが我が家になるんだなということがわんこにはきちんと伝わるに違いありません。
引っ越し後に必要な手続きは?
転居して住所が変わると、新しく引っ越した市区町村で飼い犬の登録変更の届け出をする必要があります。人間も住民票の手続きがありますがそれと同じです。
以下の3点は必ず必要となります。
- 前の居住地にて交付された鑑札
- 狂犬病予防注射済証
- はんこ
新しく済むエリアの自治体(市区町村)によって提出先が違う場合があります。市区町村役所、保健所、あるいは動物管理センターなど、地域によってまちまちです。
ネット等で検索するか自治体に電話して聞いてみましょう。マイクロチップが入っている場合は住所変更を登録しましょう。
最後に
いかがでしたか?
たとえご近所、数ブロック程度の移動であっても住環境の変化は多きいもの。人間も自分の家だとしっくりくるまで数日、あるいは数週間かかります。
そんな中、事情もわからずにわんこが不安に感じるのも当然です。ストレスが過多となれば問題行動がおこることもあるでしょう。
信頼関係で結ばれた飼い主のあなたが、変わらぬ態度で愛犬に愛情をそそぎコミュニケーションがしっかりと取れていれば自然に改善されることでしょう。
わんこも少しずつでも慣れていき、元のように元気でお利口なわんこにもどるはず。しつけ直しは急くことなくわんこの気持ちをコミュニケーション重視でのんびりやりましょう。
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