日々のしつけを頑張ってるあなた。思わず犬を叩いてしまった、叩きたくなった、そんな経験ありますか?
「もう、どうして言うことを聞いてくれないの?なんか馬鹿にしてる!?」
「犬も動物だから、罰を与えないと伝わらないかも」
そんな風に思ってしまったこともあるかもしれません。腹が立って思わず叩いてしまったことがあるかもしれません。
でも待ってください。犬と仲良く暮らしたいあなたにとって、そんな風に叱るのは苦痛に違いありません。かわいい顔で見つめられるとついなんでも許してあげたい。「とりあえず、まあいいか」と流してしまう。でもしつけって、毎日の積み重ねですから、いつも可愛がってくれる、自分の思い通りにできてしまう、そういう環境は犬の問題行動を引き起こし、さらに助長させてしまうことになるのです。
しかし、叩いてしつけるってどうでしょうか?
はい、それは全くお勧めできません。はっきり言って避けるべき行動。では、上手に叱るにはどうしたらいいのか。叩くのがダメな理由と上手なしつけ方の基本を見てみましょう。
犬を叩く人が犬を飼った場合の問題点とその理由
昔の人って、犬を叩いてしつける人が多くいました。犬は動物だから、言葉で言って理解できるわけがない。だからきちんと教えないと。うちの父もそんな風に言いました。
本当にそうでしょうか。
犬を叱るには、タイミングがすごく大事です。人間が思うよりも短い時間、ダメな行動のその瞬間に、それがダメだとしっかり伝える必要があるのです。ダメな行動の真っただ中、あるいは行動しようとするその瞬間。少しでも後になると犬としては何をいきなり怒られたのか理解できません。
今なんで叩かれたの???
これではしつけの意味が全くありません。人間は過去を反省したり、思い出に浸ったり、未来を予想したり、夢を抱いて楽しくなったり、いろんなことが可能ですが、犬の記憶は20秒程度と言われています。もちろん飼い主のことを忘れたりはしませんが、遊びの最中に「取っておいで」と言われたことはすぐに忘れ、目の前の物体を追い、飼い主を喜ばせるために全力で行動するものです。
犬が人に怯える(犬を叩くことのデメリット)
犬はその瞬間を生きているので、20秒以上前の自分の行動がなんだったのか覚えていません。叩かれたことと、その原因となった本来の理由との関連付けができないのです。わんこの顔を見ればわかります。叩かれた経験から、あなたを怖い存在だと認識してしまいます。恐怖心から、犬は怯えてビクビクするようになるのです。言うことは聞くようになるでしょう。
しかし、そんな愛犬と一緒に暮らしたいですか?犬が好きなあなたは、愛犬にはのびのび暮らしてもらいたい。だって家族なんだから。家族に怯えて暮らす、ましてや、犬が好きな自分のことを怖い存在と認識して怯えているなんて!?
いつ叩かれるかわからなくて怖いよ。
それはある意味虐待です。しつけを理解した犬は、賢そうな顔をしていて自信に満ちています。のびのび行動し、こころが安定してるのがわかるでしょう。あなたの愛情を確信し、あなたが喜ぶようにすすんで行動する。愛犬にはそんな風にいてもらいたいですよね。
ダメなことは叱られるけど、愛されてるのがわかるんだ
そのためにも飼い主としては上手に「ダメ!」を犬に理解させなくてはなりません。上手なしつけ、それは犬との上手な意思疎通です。人間社会での「ダメ!」がわかれば、あなたは、上目づかいにあなたの様子を伺い、内心怯えているわんこを見ることはないのです。
犬が人の手に異常反応する、噛む(犬を叩くことのデメリット)
犬は一度でも叩かれるといった、つらい経験をすると、人の手が武器であると理解します。その手が見えた瞬間、「また叩かれる」って、そんな風に反応してしまうのです。つまり人の手が見えたら威嚇、または、噛む。それは犬にとっての防衛本能。本能的に自分を守る行動に出てしまう、その結果、「危険な犬だ」、などと世間に思われてしまうのです。
あなたの愛犬をかわいいと思って撫でてくれるお友達、ましてや家族に噛みついたら大変です。そうなったとしたら、いけないのは飼い主である、あなたなのです。
犬がストレスを感じる(犬を叩くことのデメリット)
身近な存在である、あなたを怖いと思い、怯えて暮らすわんこにとって、毎日の生活はストレスに違いありません。叩いて怒られた、その理由さえも理解できていません。あなたは「この場所で排泄することを怒った」のかもしれません。でも犬としては、場所が悪いと理解できず、排泄すること、その行為自体を悪いことだと思ってしまうかもしれません。
実際にハウス内に、形跡があるのに、う〇こ自体がどこにもない、どこにも見当たらない、なんてこともあります。犬は怒られたくない一心で、自分のう〇こを食べてしまったのです。
「えーっ、まさか!?」
こんな話、心が痛くないですか?かわいい愛犬にこのような行動をさせてしまったのは、すべて、叱り方を間違ってしまったせい。あなたに責任があるということなのです。
犬が理解できる良いしつけ
犬が「ダメ!」を理解できる、上手な叱り方。
あなたの愛犬がう〇こを食べてしまわない(!?)ために、大切な叱り方についての話をしましょう。
間違っても、吠えた相手の人に「どうもすみません。うちの犬が。」などと謝ってから、愛犬に向かって「こら、わんこ。だめでしょ!」などと叱っても全く意味がありません。ご迷惑をおかけした相手の人へのパフォーマンスとしては完璧なのですが。
ではどうするのか。こんな場合は、吠えかかろうとした瞬間にリードを引いて、犬にその行動がダメ!だと瞬時に伝え、すぐに緩めます。あるいは、短く低い声で「ダメ!」「No!」。お勧めは、短い威嚇音、「シュッ!」。尊敬するカリスマドッグトレーナーCesar Millan氏のやり方がこの「シュッ!」なのですが、これなら万国共通で、どんな犬にも伝わります。
犬がほめられたいと思って行動するようになる
犬はリーダーである飼い主、つまりあなたのことが大好き。そしてあなたが喜ぶこと、あなたがほめてくれることを喜んでしようとします。社会性のある犬は、飼い主が喜ぶことを進んでお仕事としてやってくれるようになったりします。新聞をとってくるわんこ。プロ野球の試合で、球場にボールの入ったバスケットを運ぶベースボール犬。さらにはプロフェッショナルな盲導犬まで。
これらはすべて褒めたり、ご褒美(エサ)を与えて教えたこと。教えたことをするのは、犬が進んでやりたいと思うメリットがあるからです。褒められて嬉しい!そんなウキウキした気持ちでこのようなお仕事をやってくれる犬は本当に賢いですね。
僕いい子でしょ?ほめて、ほめて!
犬のしつけ、飼い主の心構え
犬と信頼関係を築く
飼い主であるリーダーのあなたのことが、大好きということは、犬があなたに信頼をよせているということ。あなたのその手は犬を攻撃する武器ではなく、やさしく撫でてほめてくれるご褒美の手でなくてはなりません。一度でも叩いたり、犬が理由を理解できないタイミングで怒られたりすると、この信頼関係は、ガラガラと音を立てて崩れていくのです。
愛犬に人間社会のルールを教えることは根気のいることです。しかし、あなたを慕うわんこの気持ちを知れば、絶対に叩いたり、体罰を与えたりなどできないはず。そして上手にしつけられた犬は、あなたにとって自慢の愛犬となるでしょう。
まとめ
いかがでしたかか?
●愛犬は絶対に叩かない
●ダメな行動は、その真っただ中、または行動開始の瞬間に伝える
●ダメ!のサインは短く、確実に犬に伝える
●愛犬とのスキンシップは信頼の証
●「ほめて伸ばす」しつけを学び、心掛ける
これでもうあなたはわんこにとって、かけがえのない存在です。自信を持っていきましょう!
しつけについて学ぶなら ➡ Inuversity(イヌバーシティ) ~いぬ大学~ 犬のしつけ教材
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