「犬を飼ってみたら想像してた以上に毎日の世話が大変」
「こんなに費用がかかるとは思わなかった」
「忙しいのに家が荒れて片づけに追われる。犬のことは面倒」
「親が死んで引き取るしかなかったが、正直負担が大きくて苦痛」
経験が豊富で慣れている人ばかりが犬を飼うわけではない現実があります。特に日本はペットショップやホームセンターで気軽に購入できる国。
犬はネコとは違い毎日お散歩に連れていく必要があり、与えたエサはその時全部食べてしまう。少しずつ日を分けて食べるなんて芸当はできません。
野生なら群れで暮らす動物。孤独に生きるようにできていない。つまり愛情が必要なのです。突然飼い主を失って一人ぼっちなってしまったわんこは、気も狂わんばかりに取り乱し最後には生きる気力すら失うほどのダメージを受けます。
しつけを怠ると家中の家具がボロボロになったり糞尿まみれになることも。飼い主のあなたが毎日の忙しさの中で疲れ苦しんでいる時、あなたの犬もまたストレスで苦しんでいます。
それが現実。「もうこれ以上飼えない」そう思ったとしても、まずは保健所に駆け込む前に考えて欲しいのです。選択肢が他にもあることを。
愛情を信じてる
犬を飼うということ
思い出してみてください。犬を飼おうと思ったときのことを。あなたと目が合ったわんこに特別なものを感じませんでしたか?
仕方なく引き取った犬かもしれません。家族が無責任に放置するので仕方なく面倒をみることになったのかも。それでもあなたは一度面倒みようと思った。なぜですか?
「わんこも生きているから、どうにかしてあげないと可哀そう」そんな気持ちが多少なりともあったのではないでしょうか?生き物に対して少しでも責任を感じたあなたはまともな人。こころやさしい人のはず。
そして今は世話が大変すぎて気付かないかもしれませんが、犬はとても賢くて愛情深い生き物。あなたの心を癒し誠実にあなたを慕うパートナーになることができるのです。
失ってから気付いても取り返しがつきません。一度立ち止まって現状の整理からしてみましょう。しんどいのは犬の世話ではなく、他のことかもしれません。紙に書きだしてみるのも効果的。頭の整理ができますよ。
しつけや介護、経済面での現実
飼う前に面倒をみられるのか迷っているなら参考にしてください。犬を飼うことでどのような責任が発生するのか。飼い始めたら最期までみる覚悟は絶対に必要。
覚悟なく飼い始めてしまった場合は、これから先を考えて覚悟が決まるか今ここで考えてみましょう。何が起こるのか知っているだけで不安が消え将来がイメージしやすくなります。
何が起こってもやり抜く人に成長させてもらうチャンスと捉えることもできるでしょう。あなたの人生に参加したわんこは間違いなくあなたに影響を与える存在。そしてあなたの決断がわんこの人生に大きく影響を与えるのです。
- 一日2回毎日のお散歩と食事
- お風呂やお耳そうじ、トリミングなどのケア
- ワクチンの接種・血液検査等医療面でのケア
- トイレ・ハウス・散歩・吠え防止などの基本的なしつけ
- 病気、けが、老犬になったら介護
子犬を飼うと最初のしつけでかなりの時間と労力を要します。自信のない人は、しつけの終わった成犬を引き取るという選択肢も。トイレトレーニングなどが終わっていれば日常の負担は軽減することが可能です。
食事はドッグフードか人間の食事のあまりものを与える人もいますが、人間はよくても犬によくないものもあります。ドッグフードも安物にはよくない成分が混ざっているので注意が必要です。
ミネラルウォーター・牛乳・玉ねぎ・チョコレートを与えてはいけません。犬にはうまく分解できずに腎臓病になってしまったり、結石ができやすくなったりします。犬用の食事を利用しましょう。
狂犬病の注射(3~4千円)は法律で決められており1年に1回、ワクチン(1万円ほど)も1年に1回。フィラリアの予防薬は(投薬または注射)春から初冬まで必要なためある程度の費用がかかります。
健康診断は1年に1回、シニアになると半年から3カ月に1回の血液検査が必要であり、去勢手術や避妊手術、ペット保険もありますが、自己負担額が発生するので金銭的にも余裕が必要。
時間とお金はある程度必要。安易に考える人も多く、犬を簡単に捨てたり保健所に連れていき殺処分にしたり。ですが人間の子供と同じで手がかかっても愛情を注ぐべき対象。それだけはわかってください。
できればずっとそばにいたいよ
忙しい時の選択肢
家族や知人に時々お世話をお願いできる人があれば理想的。急な出張や残業でも安心です。育児中のママさんパパさんと同じ。犬だからと放置してはいけません。
人間の場合でも育児や介護に疲れることはあるはず。犬の場合も同様に考え、あなた自身の疲れをとることも時には必要です。そうした場合、下記を検討するのも一考。息抜きも必要です。
- ペットホテル
- ペットシッター
- 個室滞在:一部屋1頭ずつ
- ケージ滞在:室内のケージに1頭ずつ
- 多頭飼育:一部屋に2頭以上
<サービスあれこれ>
- 朝晩のお散歩。
- プレールームで他の犬と遊ばせる。
- 滞在中の様子がわかる写真付き日記の提供。
- 24時間見守りサービス(Webカメラ/スタッフ付き添い)。
- トリミングサービス。
- しつけ教室など
※ワクチン接種必須。子犬やシニア犬、体の弱い犬は断られることもある
サービスの行き届いたホテルは価格もある程度高額。お盆・お正月、大型連休などは通常より価格がアップし、肺シーズンにはペットホテルも予約が殺到。ご自身の旅行とセットにして上手く利用しましょう。
ペットシッターは時間制で散歩などのお手伝いをしてくれます。ペットホテルになじめずに食欲が落ちたり、体調を崩したりするわんこのために利用するのもいいでしょう。
シッターとの相性も考慮し前もって散歩に同行するなどして、シッターの犬の扱い方を事前見学することもできて安心。うまく利用しましょう。
どうしても飼えないと判断するなら
犬好きの友人や知人にゆずることをまず考えましょう。日ごろからお世話を時々頼んでいる人がいれば犬も安心できます。
だめな場合は、決して保健所に連れていくことなく里親をさがしましょう。その際にもきちんとしたしつけをしておくことが重要。しつけの行き届いたお利口なわんこの方が引き取り手が見つかりやすいのです。
日頃からわんこの情報を詳しくまとめておきましょう。名前、性別、誕生日、登録番号、狂犬病注射やワクチン接種の履歴、あれば既往症や怪我歴など。情報は最新の状態に更新しておきましょう。
そうすると里親募集がスムーズに。どうしても見つからない時は、動物保護団体やボランティアをあたってみましょう。
最後に
犬は人間の事情を理解できません。捨てられた子供が親の事情がわからずにいるのと同じです。人間であればやがて大人になり捨てた親を理解する日もくるかもしれませんが犬はずっとわからないまま。
孤独で愛情不足に苦しみ、生きる気力もなくなります。生涯面倒をみることは確かに時間・労力・費用のすべてがかかること。でも家族を捨てる人はいないはず。
ペットは法律上「もの」扱いですが、感情もあり生きています。面倒をみてくれる業者に安易に渡してしまったとして、生かされたとしても愛情はもらえないケージ暮らし。無責任に殺処分されてしまうこともあるのです。
飼うか迷ってるなら、わんこの一生を考えて覚悟をしてからにすることです。もう自分で面倒はみられないと思うなら責任をもって愛情をもって見てくれる人を探しましょう。
命に責任と覚悟を持ちましょう。あなたの寂しさを紛らわすためのものではなくあなたが生死を決めていい命ではない。
あなたの意思ではないかもしれない。でも今あなたがそのわんこの人生を左右する立場にある。それならば最期まで見送る責任があることは絶対に忘れないでください。
あなたにもたらしてくれる宝物、生きる意味を身をもって教えてくれるかけがえのない存在、それがあなたの目の前にいるわんこなのです。
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