愛犬とのお散歩。途中でトイレをさせるのはマナー違反なのでしょうか?トイレしないようしつけるにはどうしたらいいのでしょう?
都会に住むわんこは何かと人間社会のルールに合わせて暮らさなければなりません。自宅の前が近所のわんこたちのお散歩コースになっている人にとって、庭木で毎日排泄されるのは不快で迷惑。
また小さい子を持つ親御さんなら、公園で子供たちがしゃがんだり手で土をさわったりする横で、犬猫の排泄物があれば、バイキンが心配なはず。
最近ではそうした声から、「犬は家でトイレをさせてからお散歩させましょう」と推奨する自治体も増えてきています。
飼い主の中には、お散歩にトイレシーツを持って出て、愛犬がしたそうなそぶりを見せたらその上にさせるという方も増えてきました。おしっこはペットボトルの水で流すのも今ではマナーとして浸透してきています。
社会の変化に合わせてマナーが変わるのも仕方のないこと。特に家族にわんこを持つ人にとって気遣いはしてもしすぎることはないようです。
しつけは、だれもが気持ちよく暮らせるように行うもの。犬を押さえつけるために存在するものではありません。
犬が気持ちよくお散歩を楽しめるように、周囲の人が犬のいる風景を問題視することなく暮らせるように。正しいしつけを学びましょう。
マナーを守れるお利口わんこを目指します
犬が持つ本能を知りましょう。
人間社会に暮らすようになって、長い年月が過ぎてはいますが犬は犬の本能を持っています。それを知ることで、人間は犬と上手に暮らすことができるのです。
犬と信頼関係を築き、尊敬されるリーダーとなること。そうすれば犬に愛情をそそぎながら仲良く暮らすことが可能です。
群れという集団で生きることを本能として持つ犬は、リーダーの存在が不可欠。家族という自分が所属する群れにリーダーがいないと判断したら自分がリーダーにならなければいけないと思ってしまいます。
犬としてリーダーのふるまいをするということは、人間社会にとって悪。問題行動をする犬となってしまいます。これは犬が持つ権勢本能によるもの。
人間が犬を飼うなら、この権勢本能を抑えリーダーとして犬を制御しなくては、犬と仲良く暮らすことができないのです。
といっても難しく考えることはありません。きちんとしつけをするだけであなたのわんこはあなたをリーダーと認識し、あなたを慕いあなたの側で安心して暮らすようになります。
あなたがすべきことは犬を人間の子供のように扱うのではなく、犬の本能を知ったうえで正しいしつけを学び実践すること。
わんこはあなたを慕い無償の愛情を返してくれます。この幸せを毎日ひしひしと感じて頂きたいです。それでは基本のお散歩とトイレについて詳細を見ていきましょう。
お散歩はお散歩。トイレはトイレ。
犬は従来からの習性として住処では排泄しないため、お散歩でトイレをさせるケースも多く今でもそのようにしている飼い主も多いはず。
そんなわんこは「お散歩とはトイレに行くこと」と思っているのですが、一旦「お散歩」と「トイレ」を切り離して考えましょう。
家の中か敷地内にわんこのためのトイレスペースを作りそこでトイレができるようにしつけをするのです。
お散歩に出る前にトイレをしっかりと済ませてから出るようにしましょう。歩きながらのマーキング行動は犬の縄張り意識を強めてしまいます。
犬のマーキング行動についてあなたも電柱や塀をあっちこっち引っ張って行かれることになり、これはこれで犬の権勢本能を強化してしまいます。
集団で暮らす習性のわんこにとって、先頭を行くものはリーダーであり、マーキングすることでこの縄張りは自分のものだと主張している行動だからです。
マーキング行動はその地域の住民には迷惑な行為でしかありません。愛犬家の正しいマナーとして散歩中はトイレをさせないことをマナーと認識しましょう。
そしてお散歩に出かける時間は毎日変えて、定刻にしないことです。犬の時間感覚はとても優秀。習慣化することで時間を覚え、お散歩の時間の前に吠えてお散歩時間を知らせるようになります。
わんこが行きたいお散歩に行くことをあなたに知らせ連れて行くことを要求しているため、これに応じる形でお散歩に出発することは避けなくてはなりません。
定刻の習慣としなければ要求行動は起こりにくくなります。あなたの気まぐれでいつお散歩に行けるかわからない状況が望ましいのです。
犬に要求させない、要求しても応じない、こうした飼い主の態度が犬のリーダーとしての地位を獲得し安定させることになるのです。
わんことしても要求することなくあなたの動きに従うことになるので、あなたが優位になり、リーダーとして存在できるということ。
お散歩はいつもあなた主導、トイレは別なのでわんこのトイレのためではないということは、つまりお散歩はあなたの健康とリフレッシュのために出かけるもの、となります。
「私がお散歩に行きたいから行くので、わんこを一緒についでに連れて行ってあげるのだ」という気持ちでいれば、わんこにとって素晴らしいリーダー。頼りがいがあって尊敬に値するリーダーとして慕われることになるのです。
トイレトレーニングをする5つのメリット
- お家の中か敷地内の決まったところでトイレができる
- 「トイレ」のかけ声でトイレをさせることができる
- お散歩とトイレを分けることができる。
- お散歩にどうしても行けない日があっても問題ない
- 出先でもトイレをさせていい場所を選んでさせることができる
トイレトレーニングを済ませたわんこは、体調が悪かったり老犬でないかぎりお家の中か敷地内の決まった場所でトイレをするので他の場所を汚すことがなくなります。
出先でも飼い主の指示した時と場所でトイレを済ますことができます。もちろんしたばかりで出ない場合もあります。
道路の真ん中や人様の玄関や庭先では絶対に排泄させないようにするのが飼い主のマナー。土のない場所であれば、アスファルトにトイレシーツを敷いてさせてあげることです。
エネルギーのある若いオス犬は他の犬のにおいを嗅いで、自分のテリトリーを主張するためにマーキングしようとしますが、それも制止しましょう。
お散歩中に排泄することがないよう、できるだけ出発前に済ませます。特に都会では、歩く道路以外はほぼすべて誰かの私有地であり住宅やビル。排泄自体綺麗なものではありません。
排泄後に片付けるのは当然ですが、においが残っていても不快は不快。反対の立場であれば、理解できますね。
トイレを済ませてからお散歩に出ると、お散歩自体に集中して楽しむことができます。天候があまりにも悪く、外に出るのが危険な場合や、飼い主の体調が悪くてやむをえない場合でも、家の中か敷地内でトイレをすることができれば、無理に出かける必要がないため安心です。
お散歩のタイミングを不定期にしやすいメリットとなります。お散歩を全然しなくてOKということではないのでご注意を。お散歩にはストレス発散や運動、脳への適度な刺激などわんこにとって、とても意味のあることなのです。
今日のお散歩はいつかな~
トイレトレーニングの具体的ステップ
トイレをある程度飼い主の都合のよいタイミングや場所でさせるために、トイレトレーニングをしましょう。
子犬期に始めてしまうのが理想ですが、成犬になってしまっていても諦めずに根気よく教えれば必ずできるようになります。
トイレの場所を覚えること、シーツの上にきちんと排泄させることはなかなか難しいことなのです。わんこがトイレをするタイミング(朝起きたとき、食後、遊んだ後、水を飲んだ後など)を見計らって上手に誘導することでミスする回数は徐々に減ります。
トイレスペースに誘導後、ガン見するとわんこも緊張してしずらいので、横目でチラ見して観察します。わんこがしゃがんでトイレをし始めたら静かに「トイレ」や「ワンツー」など排泄を意味するかけ声をかけます。かけ声は同じものひとつに決めましょう。
大きな声で驚かすと途中でやめてしまうこともあるので、静かに声をかけ、トイレができたら褒めてあげること。失敗した場合は何も言わずにさっと片づけます。
子犬はまだ膀胱が未発達なためたくさんのおしっこを溜めておくことができず、排泄回数が多いのです。繰り返すことでトイレはトイレシーツでするということを覚えます。
遊びの最中で前のトイレからかなり時間が経っている場合は、こちらから見計らって声をかけトイレスペースに早めに誘導しましょう。
間に合わなくなって失敗を防ぐためです。成功体験が増えると早く覚えてくれるもの。わんこも褒められるのが嬉しいので早く覚えてくれるのです。
トイレを意味するかけ声をかけて、わんこが自分からトイレスペースに移動してトイレができるようになれば完璧。「おすわり」や「まて」のように「トイレ」のコマンドが有効になりました。
声をかけるとできなくなる場合は、段階を踏みます。まずは静かにしていてシーツの上でトイレができたら「いいこ、いいこ」と静かに褒めてあげ、慣れてきたら「トイレ」をいうようにします。
排泄中に声をかけてもできるようになったら、できた後にまた褒めるを繰り返します。何日か続けておこない、頃合いを見計らって「トイレは?」と合図してみてください。
あなたの合図(かけ声)で自分でトイレスペースに行って済ますことができたらフードなどの特別なご褒美をあげると合図によるトイレがすごくいいものだと認識するようになります。
合図なしの時は言葉と撫でるだけ。合図ありでトイレをすればご褒美がある。こうすれば、飼い主の合図がとても有効に機能します。
一度できてもまたできなくなることもあります。段階を行きつ戻りつしながら、根気よく繰り返しトレーニングしましょう。
失敗しても気にしないこと。叱ったりするとトイレ自体がいけないことだと思ってますますできなくなり、隠れて別の場所にしてしまうようになります。
言葉のわからない相手に教えるのですから、焦らずゆっくりと愛情を持って取り組みましょう。
最後に
いかがでしたか?
トイレを制すれば、お散歩も。愛犬の排泄行為に振り回されることなく上手にお散歩できるようになれば、飼い主としての負担もへり、周囲からの理解も得られます。
マナーを守って愛犬との暮らしをより快適なものにしていきましょう。そのためにしつけは有効です。正しい方法を学び実践すること。愛情を持って正しく接すればよい関係が築けます。
さあ、わんこからの信頼のまなざしを受けて、堂々と歩いてください!
トイレのしつけのコツについて書いた別の記事もぜひご参考ください。
➡ 愛犬のトイレのしつけ。なかなかできない、覚えない。しつけ直しは難しい?
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