「お宅の犬、しょっちゅう吠えてて近所迷惑なんです。うるさいのなんとかなりませんか?しつけをきちんとしてくれないと困ります!」
ご近所さんからの厳しいご指摘。
「も、申し訳ありません!!よく言って聞かせます。」 、、、とは言ったものの。
確かにうちのわんこはよく吠える。注意してもちっとも聞かないどころかますます大きな声で吠える気が。どうしたらいいんだろう。。。
はい! このお悩み、わんこの飼い主あるあるです。よく勘違いされるのは、この場合「わんこが聞き分けがない悪いこ」なのではなく、人間側の対応に誤りがあるということ。
えっ!!
リーダーとしてなめられないように、毅然とした態度で注意してるんですけど??
はい! 残念ながらそれが誤りです。そもそもわんこは人間の子供ではありません。言って聞かせて理解できるわけはないのです。
それでは、わんこの「吠える」って、どう対応したらいいのでしょうか?
僕もおしゃべりしてみたい
犬が吠えるってどういうこと?
私たち人間の生活において大声を出すことは、日常ではあまりないことです。ライブやスポーツ観戦ぐらいでしょうか。
非日常での出来事、危険なとき、遠くの誰かを急ぎ呼ぶ必要があるとき、そんなときは普段よりとても大きな声を発することでしょう。
犬にとって、吠えるということは集団で暮らす中でのコミュニケーションの手段なのです。群れの仲間同士、吠えて存在を確認しあったり危険を伝えたり。
犬が吠えるのは当たり前。何かを群れ、つまりこの場合は家族に伝えるため、か危害を加えそうな相手に警告しているか、そんなことが考えられます。
よく「無駄吠え」と呼ばれますが、無駄に吠えていると感じているのは人間だけでわんこにとっては意味があるのです。
では、あなたの愛犬が吠えるのはどんなときなのかを、思い浮かべてみましょう。
- 人が来た時。インターホンが鳴ったとき :来客・配達員・回覧板など
- よそのわんこに出会ったとき :お散歩中のすれ違い
- 庭からだれかの気配があったとき :ネコがよこぎった?鳥か?泥棒?
- 散歩に行く前 :行きたいとおねだりしている?
- エサの時間の前 :おなかがすいたの?
- 留守番中 :さみしいのかな?
- 痛いとき :痛いのね
吠える理由は飼っている環境や育ってきた環境によって異なりますが、理由がなんとなくわかる気がしませんか。
吠える理由は絶対にある。わんこならではの事情。
- 外敵から縄張りを守るため :縄張り吠え
- 自分を守るため 自己防衛 :恐怖吠え
- 家族を外敵から守るため :警告吠え
- 飼い主に対する主張 :要求吠え、不安吠え
- 遊んでて楽しいとき :興奮吠え
- 周囲の犬に同調している、
救急車やサイレンの音がするとき :つられ吠え 遠吠え
この他にも、痛みを感じているときや、認知症によるもの、などがあります。
吠える対象についても様々です。
- 人 :飼い主や家族、よその人、来客者など
- 犬 :よそのわんこ 多頭飼いなら仲間のわんこの場合も
- 他の動物 :ネコ、鳥、イタチなど
- 音 :インターホン、サイレン、雷、花火
- 乗り物 :車、電車、自転車など動くもの
このように、吠える対象や状況によりわんこなりの理由があって吠えていることがわかります。
いずれの場合でもわんこにとっては、吠えることで目的が達成できなければストレスを感じてますます大きな声で吠えることになります。
またわんことの主従関係がしっかりと構築されていないことや、わんこ自身の社会性ができていないといった理由で吠え癖がついてしまってる場合もあります。
わんこがあなたのことをリーダーとして信頼していると、あなたが吠えることを正しい形でやめるよう伝えたら、すぐに吠えるのをやめます。
また子犬のころから慣れるのが理想的ですが、大人になってからでも社会性を身に付けておくと、むやみに怖がったり威嚇して吠えることが少なくなります。
わんこが吠えているときに、「強い態度で注意する」というのは、実は叱り方として適切でないやり方となっている場合が多いのです。
あなたが大声を出して「これ、やめなさい! うるさいでしょ!」と言うことは、わんことしては一緒に吠えてくれていると勘違いするのです。
強い態度はいいのですが、短く低い声で叱るのです。ただ、なかなか吠えるのをやめない場合は、あなたとの主従関係が出来ていないことが一番の要因。
まずはリーダーとして信頼されることが大切です。群れ(家族)の中にリーダーがいないと、わんこ自身がリーダーにならねばならないと考えるように。
群れで生活してきた習性から、仲間を守り、縄張りを守る役目を担おうとするのです。そしてその威厳を保つために飼い主や家族にも吠えるようになります。
こうなると制御不能。頻繁に要求吠えをするようになります。問題犬の誕生です。
主従関係ができている場合でも仲間を守り、縄張りを守る行動をとり、飼い主であるあなたに褒めてもらおうとすることも。あなたと家族のために頑張ろうとするのです。
外敵から家族を守ろうと、自分達の縄張りを守ろうと必死に吠えるわんこ。とても健気に思えてきませんか?
僕がみんなを守るからね
吠えるのをやめさせるには?
健気であろうと頑張ってくれていようと、人間社会に暮らすためにはこの吠える行動を制御できねばなりません。
その方法としては、いくつかあります。
【無視する】
吠えていたら、徹底的にかまわない。散歩に連れて行かない。吠えるのをやめて大人しくなったところで褒めてあげること。落ち着いた状態の方がいいことがあると理解させます。
【おすわり/ふせ】
興奮状態であるなら、なかなかコマンドが効かないことも。興奮を静めてどんなときでも飼い主のコマンドが聞こえたら従うようにしつけることです。できたらたっぷりと褒めてあげましょう。
コマンドに従うと褒めてもらえることを知っているわんこは、いつコマンドができるか意識を飼い主に向けるようになります。結果、お利口さんに。
【天罰方式】
吠えたら嫌な事が起こる方式。大きな音の出るもの(空き缶にコインなどを入れて作るなど)を吠え始めたときに、わんこに当たらないよう投げます。
手を叩いて大きな音を出すのでも大丈夫です。わんこが驚いて吠えるのをやめ、また吠え始めたら大きな音。そのうち吠えなくなりますが、音の出所があなただとわからないようにやるのがコツです。
【グッズを使う】
人には聞こえない超音波が出て、わんこが不快に感じるグッズ。数日かかるかもしれませんが効果はあります。
できるだけわんこに優しくご近所迷惑にならない方法が理想的です。一番よいのはあなたのコマンドに従うようになることです。
室内、敷地内だけでなくお外でも有効に機能します。吠えそうになったらつかさずコマンドを出して落ち着かせてあげること。
あなたの側にいるときは、こわくない、不安もない、警戒を発しなくてよい、とわんこが安心し、あなたに信頼を寄せることが何よりも大切。つまり信頼関係を築き主従関係を強固にすることです。
日頃からのしつけで服従訓練をして少しずつでもわんことの時間の中で関係を構築していきましょう。
最後に
いかがでしたか?
犬が吠えるのは当然のこと。なぜって、犬は人が飼いつづける歴史のなかで、狩りのお供に、牧羊犬として、あるいは番犬として吠える犬を良しとしてきたのです。
かつては吠えない番犬はあまり役に立たなかったでしょう。時代が変わったので急に吠えるなとは人間の勝手な都合。犬も可哀そうです。
一番お願いしたいのは、しつけが面倒などの理由でわんこの声帯を切除してしまうようなことはしないで欲しいのです。
吠える習慣をもったままのわんこは声がでなくても一生懸命吠え続けます。そんな可哀そうなことだけはしないでください。
しつけが解決してくれます。愛犬家としてそれだけはお願いします。
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