愛犬のしつけに悩む飼い主。なかでも犬が吠える癖がなおらないと頭を抱える人はたくさんいます。
しつけの中でも吠え癖だけは飼い主や家族だけにとどまらずご近所迷惑となったり、散歩中に他の人やわんこに悪影響があるもの。どうしてもなおす必要があるのです。
「うちの犬はバカだ」
「もう成犬だからしつけ直しは無理」
そんな風に思っていませんか?
いえいえ、犬は賢い動物で、何歳になっても学ぶのでしつけ直しも可能です。
実際には人間側の方でわんこに対して誤解させるような態度をとっていたり、うまくコミュニケーションができていなかったりすることで起こること。
わんこの習性を知り、そのこの個性をも理解することができれば犬と仲良く暮らすことができるのです。それではくわしく見ていきましょう。
あれ、吠えちゃいけないの?
愛犬が吠えるシチュエーション。どんな時に吠えるのか
犬は吠えるもの。吠えることは犬にとってのコミュニケーションツール。特に歴史的に人間の役に立つよう品種改良してきた犬種(牧羊犬、狩猟犬、番犬など)は吠えることがよしとされてきました。
「吠える」能力が重宝され、人の役に立ってきたという特徴を備えています。ではどんな時に吠えるのでしょうか?
- テリトリーを守るため、警戒の意味
- 不審者、侵入者を威嚇するため
- 仲間の存在や位置を確認するため
- 防御のため(自分や家族を守るため)
- 自分の要求を伝えるため(散歩に行きたい、ごはんが食べたい、ケージからでたい、トイレに行きたい等)
- ストレス発散のため
- 挨拶するため
これだけの理由があって吠えているため、無駄に吠えているわけではなく、むやみに叱る必要がないことがわかります。ただし人間の生活環境において吠えることが問題になる場面があるのも確か。
吠えてはいけないシチュエーションを愛犬に教えていくという作業が、しつけなのです。
愛犬が吠える根本原因とは?
愛犬が吠える原因(その1):家の中で落ち着く場所がない
そもそも家の中でわんこが吠えなくてはいけないと思える場面が多いことが無駄吠えの原因である場合があります。
家の中でわんこ専用の落ち着ける場所はあるでしょうか?ハウスやクレートを用意せず、家全体がわんこの縄張りという状態であると、常に警戒を怠ることができず緊張状態を維持します。
外の物音や来客に過剰に反応。警戒吠えがひどくなります。もしまだハウストレーニングをしていなかった場合は、先にそちらをしつけましょう。
クレートは自然界の巣穴と同じで暗く狭いわんこだけの安全地帯。ここならわんこはゆっくりと眠ることができるわんこ専用のベットとなります。
そんな狭いところに閉じ込めたら可哀そう?と考えるのは誤り。もしそう思うなら出入り自由にしておくといいでしょう。
わんこにとって安心できる場所ができるだけで、こころが安定してきて、警戒吠えやストレスによる要求吠えも減ってくるはずです。
ご参考記事 ➡ 「愛犬がハウスを嫌がる場合の対処法。突然入らなくなった場合はどうすべき?」
愛犬が吠える原因(その2):飼い主との信頼関係が不足
そもそも家族の中でわんこが一番と思っていた場合、飼い主の意向がなかなか伝わらないということがあります。
飼い主とわんこの間にしっかりとした信頼関係ができていないということ。わんこにとって安心できる群れではないのです。
序列についてはご存じでしょうか?家族の中にしっかりとしたリーダーが存在しているとわんこは安心できるのです。平和に暮らせるという意味では人にとっても安心です。
わんこにとって、自分に愛情をそそいでくれて、いざという時に必ず守ってくれる信頼できるリーダーがいること。そうでなければ、常に群れを守るためにわんこ自身ががんばらなくてなりません。
犬は大好きなリーダーの喜ぶことを全力でしたいと思っています。野生の猿のように成長とともにリーダーの地位を奪おうとすることはなく、決めたリーダーに一生についていきます。
しかし成長期には飼い主を試すような行動をとったり反抗期があったりする中で、飼い主側が間違って甘やかしたり、いつでも要求をかなえてあげたりしていると、わんこは自分の方が上であると勘違いして不幸な関係になってしまいます。
わがままわんこになってしまうと、常に要求を通そうと吠える癖がついてしまいます。あるいはリーダーとして群れをまとめようとしているかもしれません。
要求吠えには絶対に応じず、毅然とした態度で無視。大人しくなったところで褒めてあげ、吠えても効果はないこと、吠えずに大人しくしていた方がいいことがあることを、ゆるぎない態度で伝えていく必要があるのです。
慕われ信頼されるようになると、わんこが警戒が必要では?と考える場面においても飼い主がアイコンタクトをとりつつ大丈夫だよと伝えることで、吠えずにいることができます。
信頼する飼い主が大丈夫だと自分に伝えてくれていると理解し、落ち着いていられるのです。
顔をみたら大丈夫って言ってくれるから心配ないね
愛犬が吠える原因(その3):社会化不足
子犬期の多感な時期にいろんな場所に出かけ、さまざまな人や犬、他の動物に触れる機会があると、ある程度動じないわんこに育ちます。
経験をたくさん積んでおくことで危険でないことを知り、ビビりなわんこにならずに済む傾向があるのです。
根気が必要ですが成犬になってからでも学んでいけるのが犬のいいところ。無理をさせない範囲でわんこの様子をよく観察しながら、一緒にお出かけを楽しみましょう。
しつけの上手な飼い主の褒め方と叱り方
上手に褒める方法
愛犬が人間にとって望ましい態度でいてくれたときや、教えたことが上手くできたときには愛情をしめしてたっぷりと褒めてあげたいですね。
褒め方にも2種類あって、やさしくゆっくりと言葉をかけながら撫でてあげる方法と、わーっよくできたね、お利口だね~と言って派手にほめつつ撫でてあげる方法があります。
どちらの褒め方がいいかはケースバイケース。興奮しやすいわんこの場合は前者の穏やかな褒め方を心掛けてあげると落ち着きやすくなります。
褒める時にはわんこの名前をたくさん呼んであげ、あなたの笑顔をたっぷりと見せてあげましょう。普段の何気ないときにも愛情を示して撫でてあげること。
わんこには大切なスキンシップとなります。
上手に叱る方法
叱るときは、飼い主にもエネルギーが必要です。本気で伝える気迫が必要。わんこは言葉は理解できませんが飼い主の表情や態度、声の強さから感じることができます。
あなたが言葉では「だめ」といいながらもそれほどダメと思っている雰囲気でないとわんこが感じた場合は、全くつたわりません。
不快な表情をわんこの眼を見てしっかりと見せます。セリフは落ち着いた口調で「だめ」などの短いものがよく、叱る際にはわんこの名前は呼ばないようにしましょう。
ただ警戒吠えなどは、わんことしては家族のためにいいことをしているつもりなので、しかるというより落ち着かせることが大切。
吠える必要がないことを伝える、大丈夫だと知らせる、心配して吠えてくれてありがとうという気持ちでいるぐらいで十分です。
信頼するあなたから大丈夫だと言われれば、必要ないかと理解し吠えなくなるもの。叱るときにも信頼関係がとても重要に作用するのです。
最後に
いかがでしたか?
吠えることに悩んでいると、愛犬の吠える行動にばかり注目しがち。しかし愛犬の生活環境や飼い主との関係性が根本原因であることも多いもの。
状況をトータルで観察し、人間の都合とわんこの快適さと必要性を加味して改善策にのぞみましょう。
大切なことはお互いの幸せです。しつけはその一助。まずはしつけが機能する関係性から構築していきましょう。
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