わが家の愛犬は散歩といえど玄関から止まってしまい、歩こうとしません。連れて行く人によってお散歩を嫌がるのはなぜ?好き嫌いがあるのでしょうか?
犬の行動って不思議ですね。言葉が話せないので表情や態度から推測するしかありません。わんこなりの理由があるので、その心理や事情を見極める必要があります。
集団で暮らす犬の習性として、わんこなりの自分の立ち位置というものがあります。家の中では普通なのに、ふたりっきりのお散歩となると関係性がはっきりと影響してくるもの。
犬は信頼を寄せる人に対して従順で素直。しかしきちんと意思があり喜怒哀楽豊かに表情や態度で表現してきます。お散歩させる人によって態度がちがうなら、わんこなりの想いがあるはず。
日常のお散歩を通して見えるわんこの心理に迫ってみましょう。
僕の想いに気付いて~
家族の中のわんこの立ち位置
群れで生活してきた犬の本能から相手によって態度を変える理由が明らかになります。群れの中には必ずリーダーが存在し、他のメンバーとの間にもきちんと順位が決まっています。
人間社会で暮らすようになって久しい家庭の犬にもいまだにこの習性が残っています。日本犬は特に主人をただ一人と決める傾向があり、愛玩犬と違ってだれかれ構わず愛想を振りまいたりはしません。
さらに犬は周囲のメンバーの行動を日ごろからよく見ていて、家族同士のやり取りから家族の序列を把握しています。
いえ、普通人間が家族の中ではっきりと序列を意識することはないですが、なんとなく我が家ではお母さんが中心、とかそんな雰囲気があると思います。
犬の群れに置き換えて序列を見極めるとこうなるよといった順位づけが、わんこの中でなされるのです。
その順位付けの中で自分が何番目だなと勝手に考えていて、自分より下の順位に位置するメンバーの言うことはほとんど聞かないのです。
序列や上下関係のような表現を使うと、わんこに高圧的に対応すれば言うことを聞かせることができると勘違いする可能性がありますが、そうではありません。
わんこがリーダーに示す信頼は、恐怖からのものではなく自分を守り育ててくれる相手として慕うことの証。尊敬の念もあるのです。
愛情がなければいけませんし、威圧感を与えるようでは逆に信頼を失うでしょう。わんこが嫌がるようなイタズラをしたり、ぞんざいな扱いをする人間を当然嫌います。
また子供や孫のようにわんこを可愛がり、ご機嫌をとるような接し方をしているとわんこの方が上だと勘違いさせてしまいます。
犬がなつかないとはそういうこと。お散歩に一緒に行きたがらない相手がどんな風にわんこに接しいているのか、家族の序列がどんな風に設定されていそうか、じっくり考えてみましょう。
お散歩中に立ち止まるなら
わんことお散歩をしている最中に、急に立ち止まり頑として動かないことはあるでしょうか?やっと外に連れ出せて、さあ歩こうと思っていたのに、何がどうしたのでしょうか?
今日はたくさん遊びすぎていて疲れているのか、ゆっくりしたいのかもしれません。気温が高すぎて嫌なのかもしれません。
あるいは、どこか痛いのかもしません。体に異常を感じて歩きたいけど歩けなくなってしまったということも考えられます。
その可能性があるなら、病院で診てもらうことも考えてみるといいでしょう。足にけがをしていないか肉球も気にしてあげましょう。
自己主張をしていることもあります。行きたい場所があってそっちへ引っ張って行きたいとかあなたに構ってほしくて止まった場合もあります。
いつも立ち止まったら、だっこしてあげていたりすると立ち止まることで報酬が得られる状態、つまりいいことがおこると覚えてしまってしまったということはないでしょうか?
進行方向に進みたくない、以前に嫌なことがあったとか、嫌いな犬がいたりする場合にも行きたくないと主張して立ち止まります。
いつも同じ場所で止まるときは、その場所でなにかおこらなかったか考えてみてください。わんこはそういったことをよく覚えています。
原因を取り除くことができるか、無理な場合はお散歩コースを変えてみましょう。同じ場所でもその場所だけ抱っこして移動し危険がないことを見せるのも有効な手段。慣れるだけで解決する場合もあります。
過度のストレスがかかっている可能性も考慮してみてください。わんこが緊張して固まっているようなら強いストレスを受けているのです。
そんなときは大好きなおやつなどにも反応しません。
犬が座って動かなくなる時、犬を動かさない方がいい時もあり、それがこれにあたります。
無理やり動かそうとリードを引っ張ったりせず、その場で緊張をほぐすようにやさしく声をかけたりしてあげましょう。ストレスを解消させてあげることが大切です。
今日はもう疲れたから帰りたいよ
上手にお散歩させるには
お散歩を上手にさせるにはリーダーウォークが基本です。さらにお散歩のデビュー前に「呼び戻し」の訓練をおこなっておくといいでしょう。
あなたから離れずにしっかりついてくるようになる訓練です。名前を呼んだり、しゃがめば駆け寄ってくるように。どんな場合でも戻ってくるとわかっていれば安心してお散歩に行くことができます。
- リードを長くしてわんこの名前を呼んで引き寄せる。
- あなたのところまで来たら、大げさに喜んで褒めてあげる。
- 上記を繰り返す。
飼い主が喜んで褒めてくれると、わんこもうれしくなって何度でもこたえようとします。うれしさの度合いをオーバーにしてわかりやすく喜び、めいいっぱい撫で撫でして褒めてあげるのがコツです。
さらにはリードの扱い方をしっかりと覚えて、あなたの意思がきちんとわんこに伝わるように使いこなせるようになるといいでしょう。
立ち止まってしまい動かないときは、リードを引っ張って無理やり引きずるようなことはやめましょう。わんこの肉球を傷めてしまう可能性もあります。
座り込んでしまっていたら、わんこの向きとは反対方向、背中の方向へ普通の歩く速さで歩きましょう。反動で立ち上がり、その勢いで歩くことができます。
まだあまり外に慣れておらず、経験不足な場合は少しずつ慣らしてあげましょう。大好きなおもちゃで誘導するのもありです。
わんこにも臆病な性格であったり、好奇心が旺盛な勢いのいい性格であったり、犬種の傾向を加味するとさまざま。
想像するほど実際には簡単にいかないことがほとんどです。根気も必要ですが、わんこの行動や態度にはすべて意味があって、理由があるはず。
飼い主としてわんこの特徴をよく知って、気持ちを理解してあげましょう。無理強いすることでわんこの信頼を裏切ったり、不必要に過保護にすることは逆効果になります。
正しい知識を身に付け、わんこを知ることで適切な判断できるようになります。
最後に
いかがでしたか?
お散歩は飼い主のあなたとわんことの関係構築には最適の時間です。この時間にじっくりとわんこに向き合い、正しいしつけをおこないましょう。
わんこにとってあなたが信頼できる、尊敬に値する相手であることが何よりも重要です。家族の中でわんこが言うことが聞かない人がいるならあなたとその家族との関係も見直しましょう。
わんこの前で、その人を馬鹿にするような態度をとったりしていませんか?わんこはよく見ています。そうしたことに気付かせてくれるのも犬を飼うことのサイドメニューとして興味深いですね。
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