顔にとびかかってくるのはちょっと苦手。犬が飛びつく心理を学ぼう。

帰宅したあなたに、玄関で待っていた愛犬が飛びつく

ただいまーっ! あーわんこ、ただいま。出迎えてくれるの?ありがとう! 

大喜びで出迎えるわんこ。あなたも思わず甲高い声でわんこに話しかけ、嬉しそうに抱き上げる。

なんて、そんな風にしていませんか?子犬のころはこの行動がすごく可愛くて、べた可愛がりしたかもしれません。あなたが喜ぶ姿はわんこにはとって、飛びつきがOKであると伝える行為。あなたを喜ばせ、構ってもらえる、ご褒美がもらえる、そんなすばらしい行動として認識されているのです。

 

わん太わん太

僕の大歓迎を喜んでくれて、僕も嬉しい

でも待ってください。わんこも大きくなって、飛びかかられると結構な衝撃。しかも子供がこの飛びつきを受けると転倒する危険性が。自分はまだしも、他人に飛びつき、洋服を泥だらけにしてしまったら?犬にとって、OKな行動と認識してきたことが、突然「大きくなったから、やめなさい!」と言われても、それは人間の理屈理解できるはずはありません

つまり、子犬のころから、一貫して、飛びつきはいけない行為。飛びつかずに落ち着いていられたら、褒めてもらえる、OKな行動であると覚えさせねばなりません。また、「飛びつき」には、他にも犬ならでは理由があります。今回はこの「飛びつき」について詳しく見てみましょう。

 

飼い犬が顔に飛びかかってくる、噛むしぐさ。口や顔をなめるのはなぜ?

あなたを慕う愛犬が、顔に飛びかかってくることはありますか?必死に口元をなめまくり、顔中がわんこのよだれだらけに。犬を飼ってない人には「うぇーっ」と思われるこの行動も、可愛いわんこのよだれなら、まあいいか。

「でも特にそんなになめてくれなくていいんだけど。。。」

 

この行為、犬の本能である服従のサインって知ってましたか?オオカミなど子犬のうちは、母犬から、母犬が噛み砕いた餌を口移しでもらいます。この行動のなごりでもあり、あなたに甘えてることのあらわれ。わんこにとっては、最大限の愛情表現です。

犬が飛びつく、その心理

犬は犬、野生の生活から離れ、人間との暮らしをしていますが、犬から野生の本能を完全に取り去ることはできません。子犬のころを観察してみましょう。兄弟姉妹で飛びかかったり、噛みついたりして、じゃれつく姿。かわいいですね。本来の犬らしい行動であるのは間違いありません。しかし、それぞれの飛びつきシーンにおいては、すこしずつ、違う意味があるのです。

嬉しいのサイン

家庭内でよくみられる行動です。犬は嬉しい時、それを体いっぱいに表現します。飼い主のあなたにとって、喜ぶわんこの姿を見ると、本当に可愛いと思うし、癒しの瞬間でもあるでしょう。例えば、ちょっと想像してみましょうか、どんな時も無表情で、無反応なわんこを。いえいえ、あり得ないですね。

外からやっと帰ってきた、おかえりー!

ごはんの時間、ヤッター!

散歩に行くの?ヤッター!

喜怒哀楽がはっきりしている犬は本当に人間くさい。なので、余計に親近感があって愛おしい存在。犬はあなたのその感情をよくわかっていて、あなたが喜ぶことを一生懸命やろうとします。それが犬なのです。

おねだり

構ってほしいな、散歩に連れて行ってほしいな、おやつがほしいな。わんこがこう思ってあなたの足下でぴょんぴょん。

こんな風に、わんこからのおねだり行動要求に対して、かわいいからといって、デレデレ言うことを聞いていませんか?「しょうがないなぁ、じゃあ、ちょっと散歩でも行くか。」あるいは、「じゃあ、ちょっとおやつでもあげようか。」

 

実はあなたのこの行動は誤り。後々の問題行動を引き起こします。自分の要求に従うあなたは、リーダーではなく、わんこ自身がリーダーであると誤解してしまうのです。

序列確認

犬が犬に飛びかかるとき、それは、どっちが強いのか、確認するための行動です。社内性のある犬は、つねに自分の立ち位置を知る必要があるのです。リーダーは誰なのか、リーダーの次は誰?自分はどのポジション?それを確認する作業として飛びつきを実施します。

お散歩中にこうした行動をしないよう、しっかりとしつける必要があるでしょう。飛びつく相手は犬だけでなく、子供女性である場合も、自分の方が上だと思っていたりします。やんちゃなわんこの制御に欠かせないのがしつけ。後ほど、確認しましょう。

威嚇

郵便配達員は、配達中、頻繁に犬から威嚇されます。なぜかわかりますか?

 

家にやってきて、配達していく人は、犬にとっては、定期的にテリトリーに近づいてくる不審人物。吠える、唸るはもちろんのこと、いつでも飛びかかろうとします。配達が済んだら、さっさと去っていく配達員の背中を見ながら、自分の威嚇の成功を誇らしく感じているものなのです。

翌日、再び配達員がやってきたら、張り切って威嚇。リードや柵がなければ、配達員に怪我を負わせてしまうでしょう。勘違いから助長される問題行動です。

 

わんこわんこ

ふふ、僕がこの家を守ったぜ

犬の飛びつき癖を治すべき、その理由

犬は本来4本足で歩いたり走ったりする生き物。後ろ足だけに体重がかかる姿勢で、ましてやジャンプの衝撃を何度も受けられるような体のつくりをしていないのです。犬はうれしかったり、興奮していたりで、全身でこの感情を表現していますが、そのせいで、脚の付け根部分や腰に負担がかかるなど考えていません。

飼い主であるあなたは、犬のために、まず、この「飛びつく」という行動をやめさせるべきだと認識しましょう。同様に犬種によっては、フィリスビーキャッチなどで腰を悪くするわんこもいるぐらいです。元気よくぴょんぴょん跳ねるわんこの場合は特に注意が必要。やめさせるようにしましょう。

 

また、犬自身の安全面で必要なこと。動くものに反応して本能的に飛びつく習性のある犬は、車や自転車、バイクなどにも同様に飛びつきます。とっさの行動を止められず、取り返しのつかない事故につながる可能性があることを肝に銘じましょう。

序列確認のための飛びつき行動は、子供や女性を対象に多く発揮される問題行動。子供に怪我を負わせる、女性の服を汚す、それ以外にも犬が怖い人にとっては恐怖となり、お年寄りであれば、骨折させてしまうこともあるでしょう。

 

また、ドッグランなどの社交の場では、お行儀の悪いわんことして、他の飼い主から嫌がられ、出入りできなくなるかも。そうなると、わんこの運動不足を解消をする場所がなくなってしまいますし、あなた自身も困るはず。

 

わんこのため、周囲の人のため、あなた自身のため、そして社会のために、しっかりとした心構えで愛犬に向き合い、飛びつき癖を治しましょう。そのためにしつけが存在するのです。

犬の飛びつきをやめさせる効果的なしつけとは

基本的にあなたが飼い主として、心得ておくことは、いつも同じです。リーダーとして毅然とした態度でいること一貫して落ち着いて堂々と行動することです。そのうえで、飛びつき癖をやめさせる日々のしつけを見ていきましょう。

愛犬の飛びつき癖をなおす(しつけ)
  • 興奮状態なら、「おすわり」「伏せ」のコマンド
  • 足下に飛びついて来てても、反応しない
  • 散歩中は、飼い主の横か後ろを歩くように

  • 要求(おねだり)には応じない

犬が喜び勇んで、あなたに駆け寄り飛びついてきたら、あなたもテンションマックスにして、高い声でわんこをほめまくり、撫でまくったりしていませんか?これは逆効果。愛犬はますます大喜びで飛びついてくるでしょう。そして、喜んでもらえる行動として、他人にも同じことをしてしまいます。

あなたがとるべき行動は、落ち着いて、堂々と「おすわり」をさせることです。きちんとおすわりできたら、ゆっくりと撫でてあげましょう。穏やかな時間を噛みしめるように、わんこの歓迎を喜ぶのです。わんこの認識は、自分が落ち着いている時に、あなたが褒めてくれるということ。普段から、いつでも「おすわり」や「伏せ」のコマンドに反応できるようにしつけます。

 

わんこが言うことを聞かない時、目線を送らず、無視すること。足元でぴょんぴょん跳ねて、飛びついてきていても一貫して無視。そうして、わんこが諦めて落ち着くまで待ちます。落ち着いたら、褒めてあげます。これも同様に、落ち着いている態度でないと褒めてもらえないということを、わんこに認識させるのです。

散歩中のしつけは飛びつきだけなく、常に実行していきたい「しつけ」のひとつです。愛犬が急に他人や他の犬に飛びかかろうとして、リードが引っ張られ、飼い主が骨折することもあるのです。これは、散歩中は、飼い主であるあなたよりも前に出てはいけないことを教えておくことで防げます。前を行くのは常にリーダーである、あなた。わんこは安心して、その横、か後ろを歩くのが理想です。

 

飛びつきを繰り返し、おねだりしてくることがあります。動じないでください。あなたがわんこの言うことを聞く立場ではなく、あなたの要望にわんこが応えてくれるようにすること。わんこがおねだりするから、おやつを与えるのではなく、あなたのコマンドができたときにおやつを与える。この形を守るのです。

最後に

いかがですか?落ち着いたクールなわんこが想像できましたか?

犬が飛びつくのは、あなたが喜ぶから、または犬の本能的行動によるものだということが、理解できたかと思います。犬の習性がわかると、対応もわかります。犬は飼い主が喜ぶことをしてるだけ、もしくは、本能に従って序列を確認してるだけ。

 

状況によって、いい時も悪い時もあったりするのは、人間の都合。わんこが幸せなだけでなく、あなたも、周囲の人や犬、お年寄りも子供も、みんなが心配なく安全に暮らせるようにすること。それが飼い主であるあなたの役目です。

あなたのわんこはかけがえのないパートナーになり得ます。それを実行するためのツール、それが「しつけ」なのです。

 

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