窓の景色を眺める愛犬。人や近所の犬が通る度に張り切って吠える。
「うるさいよ!」「近所迷惑でしょ」
怒鳴ってみたところで、やめません。
「うちの犬はよく吠えるから大変。自分は慣れてるけど、ご近所には迷惑だからなんとかならないかしら?」
こうしたお悩みは多いものです。犬はもともと吠えるのが普通です。番犬や猟犬として活躍してきた特徴として、吠えることは重要な要素だったのです。
しかし、しつけ次第で吠えない犬に育てることは十分に可能。ただ吠える癖をつけてしまうと少し時間がかかるのは否めません。
ここは腹を据えてじっくり取り組むことにいたしましょう。
まずはわんこの特徴をよく分析することから。そもそもその吠えの理由はなんのかを考えてみましょう。人が嫌い? よその犬が怖い?
反対に人が大好きで興奮しやすい?よその犬を見ると遊んでほしくて全身でアピールしているのかもしれません。
理由によって、もちろんしつけ方法が違います。くわしく見ていきましょう。
吠えるのは何か伝えたいことがあるときなんだ
愛犬が吠える3大理由
「警戒吠え」
犬は基本的に警戒心の強い動物で、縄張りや群れを守るのは当たり前の行動です。「警戒吠え」は番犬として優秀な証拠でありなんら悪いことではありません。
家や家族を守ろうとしていることに感謝の意を伝えつつ、吠える必要のないことを教えていきましょう。
「ここは安全だから大丈夫」「この人は危険じゃないよ」「私がいるから問題ないよ」といったことが伝わることで、わんこはリーダーの元で安心して過ごすようになります。
リーダーであるあなたが落ち着いて堂々としている姿を見ながら、目を見て「心配ないよ、大丈夫」と伝えることでわんこは吠える必要がないことを学び、段々と吠えなくなります。
警戒心から興奮してどんな言葉も耳に入らない状態になるわんこであれば、興奮し始める前に、興奮しそうな兆候を見つけたらすぐに「おすわり」や「まて」のコマンドで静止しましょう。
「おすわり」や「まて」は基本のコマンドです。しっかり従うことができるように日頃からしつけておくと安心です。
「要求吠え」
わんこがあなたにして欲しいことがあるときに、吠えるならそれは「要求吠え」と呼ばれる問題行動です。
「散歩に連れて行って」「おやつをちょうだい」「ケージから出して」「遊んで」などなどわんこの要求内容もさまざま。
かわいい顔でクンクン、高い声で鳴かれるとついついなんでもしてあげたくなると思いますが、この場合はあなたが反応してその要求に応じてあげてはいけません。
犬と仲良く暮らすためには、常にリーダーであるあなたが主導権を握り、あなたのペースでわんこを満足させてあげる必要があるのです。
遊んであげる時も、あなたが遊びたいから一緒に遊ぼうと誘い、わんこが要求する隙を与えないことが大切です。
真面目な人ほど、わんこに奉仕してしまうやさしい飼い主が多く、わんこの意向に合わせて対応してしまいがち。
「要求吠え」はしっかり無視をすることが王道の対処方方法。視線を送ることもわんこにとっては関心を引けたということで「成功した」と捉えられてしまい、ますます要求吠えがエスカレートする結果に。
かわいい鳴き声も、可哀そうな悲痛の吠え声も、それが要求である以上人間の言葉に訳すと「さっさと散歩に連れてけよ~。こんなに言ってるのに何やってんだよ。」(散歩に行きたい場合の例)といった内容であると認識しておきましょう。
あなたが一切の要求に応じない姿勢を貫くと、吠えても無駄だと学習し、あなたの行動を待つようになります。慣れるまでつらいですが大事なことなのです。
おりこうに待てるようになった?
「不安吠え」
群れで行動する習性があるため、犬はひとりぼっちを嫌います。突然なんの訓練もなくひとりぼっちでお留守番させたりすると、不安で仕方がなくて吠えまくるのが普通です。
常にあなたに構ってもらっていることが普通であるとあなたから離れることを極度に怖がりどこにでも着いていこうとするようになります。
少しでも姿見えないと吠えまくるなら「分離不安」の症状が出ている可能性も。愛犬を不安にさせない、心の安定したわんこに育てるために早いうちから正しいしつけをする必要があります。
こうした問題行動は、ちょっとした対応の誤りの積み重ねなのです。
愛犬の警戒吠え:窓の外が気になるわんこに「目隠しシート」
警戒吠えの修正を訓練する過程で、環境に手を加えてわんこが落ち着くように工夫することも有効な手段。
窓の外を通る人やお散歩中の犬の様子に激しく反応するなら、わんこの目の高さまで窓に目隠しシートを張ったり、植木などを置くのが効果的です。
目線をブロックすることで外の様子が気にならなくなり、わんこにとって室内が安心の場所となるようにしてみましょう。
クレートやハウスを家の中の一番静かな場所に設置するのもオススメです。ハウスを布で目隠しして、暗い状態にすると落ち着きやすくもなります。
これは洞穴などの暗くて狭い空間を巣穴にしてきた野生時代の習性を利用したもの。安心の居場所があるだけでわんこの様子が変わってきます。
もしもまだハウストレーニングができていないなら、ハウスはわんこの心の安定にとても重要なので、何より先にトレーニングを始めましょう。
ハウスについての参考記事 ➡ 愛犬がハウスを嫌がる場合の対処法。突然入らなくなった場合はどうすべき?
最後に
いかがでしたか?
愛犬の吠え癖に悩む飼い主は多いもの。一口に吠えるといってもそのシチュエーションはさまざまで、実はわんこなりの理由があって吠えています。
大きく全体を捉え、ひとつひとつの事象に注目しすぎないことが成功の鍵です。吠えることを叱るよりもハウストレーニングで吠えなくなることも多いからです。
人間も、基本的に心が満たされて不安のない状態ならすべての行動に落ち着きが見られたり、堂々としていられるもの。
そのためにも基本のしつけはしっかりとおこないましょう。しつけを通してわんことコミュニケーションをとることも非常に大切。信頼関係も深まりますよ。
しつけについて学ぶなら ➡ Inuversity(イヌバーシティ) ~いぬ大学~ 犬のしつけ教材
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